第148章

観光客たちが次々とローズマナーを後にする中、広大な花畑には古城美雪と金崎恵の二人だけが残っていた。

周囲の光が徐々に薄暗くなってきても、古城美雪の化粧気のない顔は月の光のように白く透き通り、それを見た金崎恵は羨ましさと嫉妬心を同時に感じずにはいられなかった。

全ての恨みを抜きにしても、金崎恵は認めざるを得なかった。古城家のお嬢様は群を抜いて、万に一人の美人だということを。

こんな美しい女性が、自分の男と同じ屋根の下で三年も過ごしていたのだ。たとえ名ばかりの関係だったとしても、どうして不安にならない?恐れない?憎まないというのか?

そこで金崎恵は歯を食いしばり、古城美雪の前に歩み寄ると...