盗まれた恋

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第152章

北島グループホテルでは、誰かが脚光を浴びる瞬間を楽しんでいた。

一方、古城美雪は一人でオープンカーを運転し、涼やかな夜風を受けながら、月見湾の山沿いの道路を走っていた。

車内では夜の女王のアリア『復讐の炎は地獄のように我が心に燃え』が流れており、古城美雪は運転しながら高音を歌い上げ、ご機嫌な様子だった。

そのとき、古城律から電話がかかってきた。

「兄さん〜」古城美雪は甘く柔らかな声で呼びかけた。

「おやおや〜骨がとろけそうだよ、これを録音して隼人に聞かせてやりたいな。嫉妬で目から火を噴いて顔面蒼白になる姿を見たいものだ、はは!」古城律の声は喜びに弾んでいた。男の幸せとはこうも単純な...