第158章

金崎恵は、病院の外に引きずり出されながら、多くの医療スタッフの視線を浴び、まさに面目丸つぶれだった。

だが今の彼女は、すべてを失い、これ以上醜い面の皮を失うことすら恐れなくなっていた。

「きゃっ!」

秋谷健太とボディガードは息の合った動きで同時に手を放し、金崎恵はみっともなく地面に転がり落ちた。

「ティッシュある?」秋谷健太がボディガードに尋ねた。

「申し訳ありません、秋谷さん。持ち合わせておりません」

「まあいいや。後で看護師さんからアルコール綿をもらって、ちゃんと手を拭こう。さっき汚いものに触っちゃったからな!」

そう言うと、秋谷健太は金崎恵に向かって思い切り唾を吐きかけて...