第17章

「私は彼女に会ったことがあるのか?」北島神人は太陽穴を揉みながら、つぶやいた。

「この古城さんについて少し調べてみました」北島神人は秋谷健太がようやく気づいて自主的に彼の悩みを解決しようとしていると思い、口元に微笑みを浮かべながら続きを待った。

「結果は、何もありませんでした」秋谷健太は両手を広げ、あっさりと言った。

「クビにしてほしいという口実でも作りたいのか」せっかく良くなりかけた気分が一気に台無しになり、北島神人の表情は一気に冷え込んだ。

「北島社長、私がいい加減な調査をしたわけではないんです。あのお嬢様の情報は本当に手に入れられないんですよ」

秋谷健太は北島神人の足にすがり...