第21章

彼らの間の目配せを見て、北島神人は胸がなぜか締め付けられた。まさに口を挟もうとした瞬間、古城美雪が急な吐き気に襲われ、予想もしないまま彼の身体に吐いてしまった。

「おっ、兄貴、やっと違う服装が見られるってわけだな」堀内陽平は眉を上げ、とても意地悪な口調で言った。

北島神人は顔を真っ黒にして、酔っ払いの古城美雪を連れ、ウェイターについて貴賓室へと入った。

貴賓室内で、古城美雪はトイレに駆け込んで便器を抱きながら天地がひっくり返るほど吐き続け、一方の北島神人は汚れた上着をすぐに脱ぎ捨て、中のシャツさえも容赦なく脱ぎ、上半身裸でタオルを手に入念に拭こうとしていた。

だが、古城美雪が泣き声を...