第22章

自分の仕事がやっと終わったと思ったばかりの秋谷健太がベッドに横たわり、目を閉じたその瞬間、社長からの電話がかかってきた。

「秋谷健太、今すぐ来て、潮見荘園まで送ってくれ」そう言うとすぐに電話は切れた。

「社長、ナイトクラブまで送ったら仕事終わりって言ったじゃないですか!わざわざこんな時間に仕事増やして僕を苦しめるんですか?それに僕は秘書であって運転手じゃありませんよ。前回、若奥様とドライブレースに付き合わされたのはまだしも、今回は代行運転でも頼めばいいじゃないですか!」秋谷健太は誰も聞いていない電話を片手に北島神人への不満を漏らしながらも、もう片方の手はとても誠実に服を着て鍵を取っていた...