第23章

笑みを浮かべながら兄さんが切ってくれたステーキを口に運ぶと、古城美雪は澄んだ瞳を輝かせ、のんびりと口を開いた。「もうすぐでしょうね、北島グループが金崎グループの尻拭いに追われるのは」

「そういえば、兄さんが今朝出かける前に言ってたわ。お父様はもう君の決断を知っているって。何も言わなかったけど、証拠が確実で事実なら徹底的に追及するつもりだって。絶対に許さないってさ」古城律は妹にウィンクした。

兄さんの意図を察した古城美雪は先に言った。「いいえ、この件はあなたが出る必要はないわ」

少し残念そうな顔をした古城律は気を取り直し、自分の父親の話を続けた。「父さんって女性関係以外は本当に文句のつけ...