第25章

階段を一、二階上るときは気にならないし、四、五階でもまだ大丈夫だが、六、七階になると秋谷健太は既に息を切らし始めていた。最後に九階に近づいたとき、もう耐えられなくなった。

「もうすぐだ、ここで止まるな」北島神人は急かしながら、平然と階段を上り続けた。

「なぜ北島社長はお疲れにならないんですか?社長は私よりオフィスに座っている時間が長いはずなのに」秋谷健太は手すりにつかまって立ち止まり、不思議でならなかった。間違っていなければ、彼は北島社長より二歳若いはずだ。北島社長は今年もう三十歳なのに、体力がこんなにあるなんて。

「後で戻ったらジムに会員登録しておけ。私の秘書として、健康な体がなけれ...