章 170

文士は鉄骨扇を一振りして蒋旭に向けて放ち、二人は激しく打ち合った。一方、その壮漢は双銅を操り、水の漏れない防御を見せ、阿布は近づくことさえできなかった。

両者が戦いを始めたとき、周囲は恐ろしいほど静まり返っていた。蒋旭はどこか違和感を覚えた。この四人は符術師ではなく、妖だ。濃厚な妖気を嗅ぎ取っていた。

だが彼と文士との実力差はほとんどなく、余裕をもって他のことを考える暇はなかった。ただひたすら文士と全力で戦うしかなかった。

その文士は戦う気がないようにさえ見えた。鉄骨扇一本で蒋旭の心を乱しながら、ずっと空を見上げ、何かを待っているようだった。

蒋旭は明らかに彼に何か企みがあることを感じ...