章 9

蒋旭が小さな動画を開くと、表情が一変した。

画面には橙色の道袍を身にまとった老人が映っていた。老人の背後には深い山々と森が広がり、周囲には霧が立ち込めていた。老人の顔ははっきりとは見えなかったが、長い白髪の髭を蓄えているのがかろうじて確認できた。

「拙者、真人の前で恥を晒すことになりました」

動画の中の老人はそう言うと、左右の手を組み合わせ、両手の人差し指と中指だけを立てて、何やら呪文を唱え始めた。

「仁高護吾、丁酉保全、仁灿管魂、丁巳養神、丹元寂養、洞察出入、急急如律令!」

小さな動画はそこで終わり、司禄星君はニヤリと笑った顔の絵文字を送ってきた。

蒋旭は密かに感心した。この司禄星...