章 173

彼は足早にホールのトイレへと向かい、外の喧騒をようやく遮断した。

この問題はいつかは考えるべきだろう。誰だって恋愛するものだ。

林峻はイライラしながら顔に水を浴びせた。中は蒸し暑すぎる。

ただ、沈知辞が彼を調教してくれるなら、おそらくバイなのだろう。もし沈が圏外の相手を見つけたとしても、自分を調教する時間は作ってくれるかもしれない。

でもそれって浮気みたいじゃないか?林峻は考えが乱れた。相手が許したとしても、自分が納得できるわけがない。

納得できないどころか、沈知辞を誰かと分け合うなんて、考えるだけでも腹が立つ。

林峻は顔を拭くと、席に戻った。ちょうど沈知辞と呉艾が彼らのテーブルの前にいるのが...