章 39

「よっしゃ、林さん、今度何かいいことあったら兄弟のこと忘れないでくれよ」方総は慣れ親しんだ様子で彼の肩を叩いた。

数回会っただけで、誰がお前と兄弟づらしてるんだ——林峻は内心煩わしく思いながらも、表情は穏やかそのものだった。「もちろんですよ、次回は皆さんを食事にご招待します」

ようやく解放され、個室を出ると、もう誰も自分を見ていないことを確認して、林峻はトイレへ駆け込み、顔を洗った。

外に出てから初めて居心地の悪さを感じた。全身がべたついているようで、衣服を全部脱ぎ捨てたいほどだった。洗面台の前で吐き気を抑えながら、顔の水を拭き取る。

鏡に映る自分の顔を見つめた。頬は少し赤く、前髪は濡...