章 1460

「本当に美味しいね、小辰、もう少し買ってくれないかな?」兄が顔を上げて笑いかけた。

「小辰」というこの呼び方は、私が無理やり彼に呼ばせたものだ。何度も繰り返し、十数回の練習を経て、ようやく渋々受け入れてくれた。

私は無理に微笑みを浮かべ、頷きながら言った。「いいよ、後でもう一つ買って、家に持ち帰ろう」

「やったー!」兄は嬉しそうに手を叩いた。周りの客たちが次々と振り向き、奇妙な視線を向けてくる。

今の兄はもはや、かつての兄ではない。私の弟にするには、幼すぎるほどだ。

この姿の兄を義姉にどう対面させればいいのか、義姉が見たらどんな思いをするのか、私には想像もつかなかった。

兄と会った...