章 1517

三人で出張に行くことになっても、さっき話し合うべきことはすでに終わっていた。彼が私のオフィスに来た理由がわからない。

「陶総経理、何かご用でしょうか?」私はビジネスライクに尋ねた。

陶宇哲は微かに笑みを浮かべると、まっすぐ私のデスクに向かって歩み寄り、勝手に椅子を引いて座り込んだ。さらに足を組むと、淡々と言った。「梁経理に相談したいことがあってね」

「何の件ですか?」

「率直に言おう。今回の私とセリーヌの出張には、誰にも邪魔されたくないんだ」陶宇哲は私をじっと見つめて言った。

「では、できるだけ邪魔しないようにします」私は眉をひそめた。

「いや、そういう意思じゃない。君に今回の出張...