章 1525

足音が突然止まったことで、私の心に一筋の緊張が走った。

思わず息を殺し、少しの物音も立てまいと身を固くする。手にはまだ、あのヒゲ面の男を襲った石が握られていた。

スイカ包丁は確かに威力抜群だが、一撃で敵を気絶させることはできない。万が一、相手が声を上げでもしたら最悪だ。

なぜドアの向こうで物音が途絶えたのか疑問に思いながらも、私は神経を張り詰め、高度な警戒態勢を維持していた。

そのとき、突然目の前に人影が現れ、冷たい光が閃いた。

坊主頭の男の襲撃だ。

高い警戒心を保ったまま、私は最速で二歩後退した。

「誰か来てくれ!ここに敵がいる!」坊主頭の男の手にした短刀が私の頬をかすめ、彼は大声で叫びなが...