章 1537

私は笑みを浮かべた。先ほど少女が私の手を掴んだときの感触は悪くなかった。冷たくて柔らかくて滑らか。

私も彼女に続いてエレベーターを出た。

思いがけないことに、少女はずっと私の前を歩き続け、そのまま病室に入っていった。

私は一瞬戸惑った。なんと陶宇哲がいる病室だった。もしかしてこの少女は陶宇哲の親戚か友人なのだろうか?

心が沈んだ。エレベーターで感じた一筋の好感は跡形もなく消えていた。

陶宇哲があんな状態なのだから、彼の親族や友人に良い人間がいるわけがない。

すぐに後に続いて入ると、案の定、陶宇哲と楚薇の姿が目に入った。

少女は入口に立ち、中に入る道を塞ぐように立ち、目に笑みを湛え...