章 1616

私の胸が躍った。急いで包装袋を壁から引きはがした。

袋を開け、紙を取り出して広げると、思わず目を疑った。本当に地図だったのだ。黒いボールペンで描かれており、山脈や水流、道筋が記され、さらに赤い点で何かが標されていた。

この地図の記号は極めて複雑だが、一切の文字による説明がない。A4用紙ほどの大きさで、これほど複雑な地図を描くには、数時間はかかっただろう。

私はこの地図が具体的にどこを示しているのか全く分からなかった。従兄が描いたものかどうかも不明だ。唯一確かなのは、従兄がこの地図を洗面台に隠したということだけだった。

地図はビニール袋に入れられていた。明らかに濡れるのを防ぐためだ。こんな用心深...