章 1710

電話を切ると、少し安心した。

その夜は秦おじさんと一緒に寝ることになった。最初は少し気まずく思った。小さなベッド一つでは私たち二人を収容できるはずもなく、床に寝ると言ったのだが、彼は私にベッドで寝るよう勧めてくれた。

秦おじさんと寝るのは気まずいだろうと思っていたが、それは杞憂だった。

秦おじさんの体からは独特の白檀の香りがして、まるで女性の体香のように心地よく、気持ちが落ち着き、余計な考えが浮かばなくなった。

翌日になると、秦おじさんは正式に私に教え始めた。彼は私のことを「小辰」という幼名で呼び、私も彼を「師父」と呼ぶようになった。

師父は最初、少林寺の武術を教えるのではなく、禅定の...