章 570

林国栋は立ち上がり、劉杰を見つめながら言った。「それじゃあ、私たちは省都に戻るよ。あちらにもまだ片付けなければならない仕事があるからね。笑兮のことは、君に頼むよ」

劉杰は急いで頷いた。「林おじさん、おばさん、どうぞご安心ください」

林国栋は林笑兮の部屋のドアの前に立ち、ノックした。「笑兮、私たちは省都に戻るよ。君はここに居なさい」

しかし中からは何の反応もなかった。

林の母親は目を見開き、何か言おうとしたが、林国栋に制された。彼は妻に頭を横に振り、玄関へ向かって歩き出した。

劉杰は慌てて後に続き、二人を見送った。

階下に着くと、林国栋は振り返って劉杰を見た。「もういいよ、戻りなさい...