章 832

彼は用心深く、臆病なネズミのようで、部屋に入るときも何かあるかもしれないと怯えて入り口に立ち、異変があればすぐに逃げ出せるようにしていた。

部屋に誰もいないと確認したとき、腹を立てた彼はすぐに私に電話をかけてきた。

部屋に誰もいないことを確認すると、この男は窓際から下の様子も確かめ、すべて普通だと分かると今度は寝室も隅々まで調べ、他に何かないか警戒していた。彼がトイレのドアを押し開けたとき、私はドアの陰の隅に身を隠し、必死に体を小さく縮めていた。ドアを開けて一目見ただけで空っぽだと思い込み、この男はすっかり安心した様子だった。

「くそったれ、覚えてろよ。今からお前をネット上の有名人にしてやるか...