章 840

「メモ?」

「前回私はミスを犯した。秘密を守るという約束のメモを書いて、彼のところに置き忘れたんだ。私のサインもあるし、内容も私の筆跡だ」

「あなたはとても落ち着いた人だと思っていたけど、なぜそんなミスを?」

「当時は妻の露出を彼に覗かせる話をしていて、頭が混乱していてそこまで考えられなかったんだ。メモが彼の手元にあれば、彼は絶えず私を脅し続けるだろう。それが広まったら、私の評判は台無しになる。

だから彼を騙して外出させ、家に行って探した。見つからなかったので戻ってきたら、彼がスマホでメモを撮影してネットに投稿しようとしていた。それで私は飛び出して手を出してしまった。その後のことは知って...