章 1074

林川は試してみると、使えることがわかった。小型の液晶テレビもある。

長い間人が住んでいなかったせいで、家具には埃が積もっていた。入るなり、萱萱は何も言わずに布巾を見つけると、洗面所へ水を汲みに行った。彼女の様子を見ると、悲しみを力に変えようとしているようだ。さすが訓練を受けただけあって、精神力が非常に強い。先ほど起きたことを、完全に受け入れたとは言わないまでも、少なくとも今はかなり適応してきている。

林川自身がその立場なら、彼女ほど上手く対処できるかどうか分からない。

萱萱が黙々と掃除をしている間、林川はテレビをつけ、煙草を吸いながらテレビを見ていた。何も言わず、手伝おうともしなかった。

彼女...