章 1122

彼は笑いながら首を振った。

「そうだね、金があるっていいよな」と林川は微笑んだ。

旅館の主人の視線を背に、林川は部屋を出て階段を降りていった。脇にはゴミ捨て場があり、その傍らに林川の車が停まっていた。車に乗り込むと、素早く気持ちを切り替え、エンジンをかけてゆっくりとその場を離れた。

林川はすぐに立ち去ることはせず、途中でピエロのマスクを買い、ポケットに仕舞った。さらに背広の下に着ている防弾チョッキに手を触れると、何とも言えない安心感が胸に広がった。

拳銃も腰に差し、予備の弾倉三つをポケットに入れていた。

道中、爆竹の残骸が至る所に見られ、秦悦が一体どれだけの爆竹を鳴らしたのか急に気になった...