章 470

林川は彼女に聞きたかった。もし彼女を救ったのが林川だったら、今のように喜んでくれるだろうか?

今夜以降、この道化の姿は秦悦の心の中で、名実ともに大英雄となるだろう。

どんな女性も白馬の王子様の物語を信じている。おそらく道化師は秦悦の心の中の王子様に近いのだろう。

林川にそう問われ、秦悦は黙り込んだ。

しばらくして、彼女はようやく決意に満ちた表情で林川に告げた。「仮面の下の顔がどんな形をしていても、あなたへの憧れが一つも減ることはありません。あなたは私の心の中で、絶望の淵にいた私のもとへ舞い降りてきた英雄です。あなたの素顔が見たいのは、イケメンかどうかを確かめたいのではなく、この英雄をもっと現実...