章 516

「秦悦は林川を支えながら入口まで連れて行き、手にしたティッシュで彼の顔の血を丁寧に拭いていた。目尻が真っ赤になった彼女は林川に言った。「小川、どうしてそんなことするの。そんな遊び方してたら、いつか自分を壊してしまうわよ。体は自分のものなんだから、そんなに粗末にしないで」

林川は苦笑いして口を開いた。「今はもう本当に、何も言い返す気力もないよ」

秦悦は林川の手を握り、小さな声で言った。「この件は、もう気にしないで」

林川は深く息を吸った。「あれだけの人が俺に頼って食べてるんだ。気にしないわけにはいかないだろう?このバーは俺の心血を注いだものなんだ。誰かに台無しにされるのを黙って見てられるわ...