章 607

外に立っていても、塀の中がどうなっているのか見えない。

旭兄と白楓が林川を見つめている。「どうやって入る?」

話している間に、中から犬の吠え声が聞こえてきた。あの男の話では、塀の中にはチベタン・マスティフの雑種がいるらしい。以前テレビで見たことがあるが、虎でさえ敵わないと言われるほど獰猛な犬だ。

歯を食いしばりながら、林川は旭兄たちに向かって言った。「塀を乗り越えて、まず犬を始末する。中の連中がまだ気づいていなければ、こっそり侵入だ。見つかったら仕方ない、強行突破するしかない」

「何か動きがあれば、俺がすぐに鉄門を開ける。外の連中はその瞬間に突入してくれ。あの作業員たちが反応する前に片付けない...