章 623

彼女は林川の手を太ももの上に置くと、ヨードチンキと包帯を取り出し、丁寧に片側を消毒してから、両手を包帯で包み込んだ。

「小川、教えてくれない?この数日間、一体何をしていたの?」

秦悦が顔を上げ、口元から柔らかく問いかけた。その甘く溶けるような声色に、林川は全身が熱くなるのを感じた。

「姉さん、俺を信じてくれるなら、これ以上は聞かないでほしい。何をしているのか、自分ではわかってる。いつも子供を叱るような態度で話さないでほしい。もう二十歳になったんだから、幼稚なことをするわけがない。それに、誰を傷つけるとしても姉さんだけは絶対に傷つけない。俺のやってることは、みんなのためなんだ」

林川がこ...