章 700

「もういいから」と彼女は赤ちゃんから手を離し、林川に頭を下げようとした。引き止めようとしても無駄だった。結局、林川は横に立ち、彼女が礼を終えるのを見届けてから尋ねた。「そういえば、通帳とか銀行カードとか持ってますよね?」

婦人は頷き、林川に何をするつもりか尋ねた。

林川は笑みを浮かべて言った。「何もしませんよ。ただカード番号を教えてください。それと覚えておいてください。もし後で口座に大金が入っていても、絶対に楽さんには言わないでくださいね」

婦人は呆然としていた。

帰る前、林川は赤ちゃんの前にしゃがみ込み、その頭を撫でた。「おばあちゃんの言うことを聞くんだよ。時間があったら、兄ちゃんま...