章 769

林川は諦めず、携帯を握りしめたまま電話をかけ続けた。四、五十回も連続で電話をかけたが、応答は毎回同じ「電話に出ることができません」という機械的な音声だけ。ソファに座り、額を指で押さえながら、異常なほど気持ちが沈んでいた。

浩子は白楓を見つめた。「今言ったこと、本当に確かなの?」

白楓はさらりと口を開いた。「確かだよ。そうじゃなきゃ、俺は言わない。他の奴らを信用できないからこそ、自分で確かめに行ったんだ」

浩子は視線を林川に向けた。「小川、さっき俺たちが通った高速道路の料金所で武装警察がいたの覚えてる?あの県から市までは四、五時間の道のりだけど、そんなに遠くない。あそこも麻薬密売人の追跡が...