章 826

今夜、こうなったのは行き場がなくなったからだ。多分に、林川たちが得をしている状況だった。

それは林川自身が分かっているだけでなく、旭たちの心の中でも明らかだった。だからこそ、あんなに慌てていたのだ。

林川は三つ目を引っ張り、銃を彼の頭に突きつけたまま車に乗せようとした瞬間、向かいの佛爺が口を開いた。「待て。お前が二郎を連れて行って、途中で殺したりしたら、俺は騙されたことになるじゃないか?行きたいなら行け、だが人間は置いていけ。お前たちを行かせると言った以上、行かせる」

林川は佛爺を見て薄く笑った。その表情は非常に冷酷だった。「ここで決定権を持っているのは、あんただけじゃないようですね?この三つ...