章 862

運転手は淡く笑って言った。「何もかも保証はできないが、この辺りだけは詳しい。俺の家もこの近くでね。さっきも裏道を通ってきたんだ、それもこんなに早く。この先は通れなくなってる。あの小道を辿って百メートルほど行けば、渓龍山の入口だ。そこも道が途切れてる。その先は昔の大雨で地滑りがあって、道が荒れ果てたままだ。山奥で遠いから、ずっと誰も手をつけていない」

林川は車のドアを開け、「ありがとう」と一言告げると、二、三歩走っては息を切らし、歯を食いしばりながらその小道を突き進み、行き止まりまで辿り着いた。

先の道は完全に塞がれていた。車はおろか、人さえも通れない状態だった。

林川はタバコに火をつけ、...