秋の蝉

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章 1247

「静音は楽しそうに話す楊夢玲の刺激的な言葉を聞きながら、自分がまるで今まで触れたことのない世界へ連れて行かれたような気がした。好奇心と神秘さに満ちたその世界に、阿弥陀仏、この邪念、悪念、仏様どうかお許しを、罪深い、罪深い!」静音は心の中で経文を唱えていた。

静音は楊夢玲を山門の外へ案内すると、果たして安二虎が木の上に座っているのが見えた。楊夢玲はプッと吹き出して笑った。「二虎、この悪ガキ、どうして木に登ってるの?」と彼女は安二虎を指さして笑った。

安二虎はわざと木に登って、自分が先ほど庵の中にいなかったことをアピールしていたのだ。楊夢玲と静音師太が来るのを見ると、彼は身軽に二、三メートルの...