章 1270

瞬間、小さな扉が自動的に閉まり、部屋の中は真っ暗になった。静音は安二虎に自分を下ろすよう合図し、それから暗闇の中でろうそくに火を灯した。ここはただの通路に過ぎず、奥に進むと緩やかな坂になっていた。安二虎は秀江庵の位置とこの部屋の位置を頭の中で計算し、間違いなく秀江庵の裏庭へ向かう通路だと確信した。

通路の中は清潔で涼しく、彼女は少し恥ずかしそうに安二虎の手を取った。

「静音さん、これはどこへ行くんですか?」

「施主様、着けば分かりますよ」静音は照れくさそうに答えた。

百メートルほど歩くと、また一つの扉が見えてきた。扉に書かれた文字を見て安二虎は瞬時に理解した——「蔵経閣」!

なるほど...