章 1743

安二虎はどこに人がいて、どこに人がいないかをすでに把握していた。だから牢獄から出るのは簡単だった。関所に鍵がかかっていれば、軽々とその錠を開け、また閉め直せばよい。誰も見張りがいなければ、脱出は容易だった。

この場所の経済は発達しておらず、管理レベルも国内の五、六十年代程度で、基本的に人力による管制に頼っていた。先進的な警備設備はなく、監視カメラすらない。そのため、この監獄は安二虎のような超人的な能力を持つ者にとっては何の障害にもならなかった。人が見張っている場所では、ツボを押さえれば事足りた。

そして、塀の下までたどり着いたとき、ようやく少しばかりの困難に遭遇した。しかし安二虎の軽功は卓...