秋の蝉

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章 1839

「安二虎はイワンカが疲れ果てていることを知っていたが、簡易テントを張って休むには水源のある場所を見つけなければならなかった。さもなければ、眠ってしまえば二度と起き上がれなくなる可能性があった。毒を持つ虫があまりにも多すぎるのだ。

「イワンカ、おいで、俺の背中に乗れ。背負って行くから」

そう言って、安二虎はしゃがみ込み、イワンカが彼の背中に乗れるようにした。

「大丈夫よ、二虎。自分で歩けるわ。夜に歩くのが不安だっただけ」イワンカは説明した。

「わかってる。おいで!お前がもう疲れ切ってるのも知ってるさ。でも水源を見つけるまで休むわけにはいかないんだ。持ってきた水ももう少しで尽きる。水を見つ...