秋の蝉

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章 1912

安二虎は躊躇なく行動し、眠っている者たちの急所も押さえた。周囲を見回すと、彼はすでに大広間に入っていることに気づいた。床には平らな石が敷き詰められ、洞窟の壁には壁紙が貼られていた。さらに奥へ進むと、通路は次第に狭くなっていった。

およそ百メートルほど進むと、また扉が現れた。両側には二人の娘が立っていたが、彼女たちも頭を垂れて極度の眠気に襲われているようだった。安二虎はすぐさま前に出て彼女たちの急所を押さえ、春の美しい夢を見続けさせることにした。

彼が静かにその扉を押してみると、意外にも開いた。中は少し暗く、明かりはなかったが、外からの光を頼りに床が石ではなく絨毯が敷かれているのがはっきりと...