章 1980

「面目丸つぶれだし、もうここにいる気がしない」と立ち去ろうとする木彪を安二虎が引き留めた。「木彪兄弟、このまま帰るのか?」

「なんだよ?もう負けを認めただろ。まだ何かあるのか?」木彪は息巻いて安二虎を睨みつけながら問いただした。

アバニェフも安二虎の意図がわからず、にこやかに彼を見つめていた。安二虎は木彪の肩を叩きながら笑みを浮かべた。「兄弟、勝ち負けは兵家の常。武術の対決には必ず勝敗がつくものさ。正直言って、お前のムエタイは本当に凄いんだ。ただ、俺たちの太極拳と当たってしまった。剛と柔、柔で剛を制する。俺に負けたのは当たり前のこと。お前の武術が弱いんじゃない、お前の武術を克服できる武術と...