章 2

二十五、六歳ほどの容姿で、整った顔立ちに豊かな体つき、肌は白く、澄んだ瞳には聡明さが満ちていた。まさに稀に見る美しい未亡人と言えるだろう。しかも今は恥じらいの表情で彼を見つめている。

だが、安二虎の胸の内では思わずため息が漏れていた。

なぜ婆さんは彼に香媚と結婚させようとするのか?義姉の玉蘭ではいけないのか?どちらも未亡人なのに。

安二虎には理解できなかった。

玉蘭が夫を不幸にするから?兄貴分の安大龍の死が彼女のせいだとでも?

馬鹿げている!

玉蘭は安家寨の方百里に知られた名高い芝居の名優だ。

彼女は村の茶摘み劇団の看板役者であるだけでなく、劇団長でもある。

安家寨全体で、どれだけの男たちが彼女を理想の女性として憧れていることか。

そんな女性は仙女が舞い降りたようなもの、どうして義兄の安大龍を不幸にするなどありえようか?

「この馬鹿者、ぼうっとしてないで。お前たち二人の婚姻はもう決まったんだ。これからは未亡人だの寡婦だのと呼ぶんじゃないぞ」

耳元に再び七婆、つまり自分の婆さんの声が響き、安二虎はようやく我に返った。

「でも…」

安二虎は婆さんに再度掛け合おうとしたが、婆さんの鋭い視線を見て、すぐに抵抗をあきらめた。

仕方ない、彼は婆さんに育てられ、幼い頃から誰も恐れたことはなかったが、唯一逆らえないのは、目の前の血の繋がりはなくとも、最も彼を気にかけてくれるこの人だけだった。

しかし、このあと本当に婆さんの言う通り、香媚と婚姻届を出しに行くのか?

彼と義姉の玉蘭には、もう可能性はないのだろうか?

ちょうどそのとき。

外から突然、玉蘭の声が聞こえてきた。「香媚姉さん!」

「どうやら本当に二虎さんと一緒になるのね。安家へようこそ」

彼女は白い細いストラップのトップスを着て、色っぽい鎖骨を覗かせ、胸元の豊かな曲線が動くたびに揺れていた。下は黒のタイトな七分丈パンツで、細い腰と美しいラインが強調され、白く滑らかな脚が露わになっていた。足元にはストラップ付きのハイヒールサンダルを履き、白い足には魅惑的な赤いネイルが塗られていた。

全身から漂う色気と成熟した雰囲気が押し寄せてくるようだった!

玉蘭が来たのを見て、安二虎は嬉しそうに立ち上がり席を譲った。「来たんだね、義姉さん。さあ、座って!」

玉蘭も遠慮なく、皆に微笑みかけ、七婆に挨拶した後、香媚の向かいに座った。

「香媚姉さん、まずはあなたと二虎さんのご結婚おめでとう」

「それから、二虎さん、義姉からも少し言わせてね。結婚したら香媚姉さんを大切にしてあげて。彼女も私も楊家寨の出身で、家計をきちんと切り盛りできる女性よ、夫を大事にする人だわ」

「これからはしっかり働いて家族を養わなきゃダメよ、一日中ぶらぶらしてちゃ。数日後に義姉の家に来て、あなたの義兄が残した医学書を持っていって。安家の医術を受け継いで、それで生計を立て、自分の道を見つけてほしいわ」

義姉の玉蘭の口調は心のこもった姉のようで、安二虎はとても心地よく感じた。

しかし、胸の内はさらに複雑だった。

安二虎は秋梅と安大彪のことを思い出し、目に一筋の光が閃いた。思わず玉蘭を何度か見つめ、すぐに視線を逸らした。

その後、四人で食事を終えた。

安二虎は義姉の玉蘭を連れて、彼女の家へ義兄の安大龍の医学書を取りに行こうとしていた。

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