章 2150

「泣いてはいるけれど、彼女はとても嬉しかった。ついに族長の女になれたのだから。安二虎がこの原始部落に来て以来、彼に抱かれた数百人の女たちは皆、彼の無料宣伝大使となっていた。部落中で彼の女になる喜びを語り広め、その誇りと自信は、まだ安二虎の女になっていない娘たちを妬ましがらせるほどだった。

しかし安二虎はたった一人の男、一本の槍。手が回りきらないのは当然で、ほとんどの女性には彼の女になるチャンスがなかった。だから今日、安二虎が戻ってきたと知ると、先を争う娘たちは皆狂喜した。あっという間に噂は広がり、二時間とたたないうちに松明が灯され、焚き火を囲んでの宴が始まった。彼が思う存分楽しめるように。

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