章 2208

「しかし彼女は確かに怪我をしているように見えた。それが安二虎には心配だった。安二虎はそういう男だ。自分が抱いた女性には誠実に接する。愛していなくても、自分の女として扱い、心配すべき時には心配する。無情に抱いて捨てるようなことはしない。それは真の男のすることではないのだから。

アルヤが指揮所に入っていくのを見て、安二虎は外で彼女が出てくるのをただ待つしかなかった。そして機会を見つけて彼女の後をつけるつもりだ。安二虎は日が暮れるのを待っていた。辺りが暗くなれば彼の領分だ。そうなればアルトが彼を見つけるのはさらに難しくなる。

指揮所に着いたアルヤは、兄のアルトとジオド将軍がいるのを見て、すぐに敬...