章 743

「でも、普段は高慢で横柄なあの子が、メンツ丸つぶれだわ。自分の二人の精鋭が戦場に出るなり敵にボロボロにされるなんて。挟み殺すなんて言ってたけど?明らかに自分が半殺しにされそうになってるじゃない」

彼女は少し怯えていた。玲瓏の言う通り、彼のそれはあまりにも立派すぎる。玲瓏も伶俐も太刀打ちできなかった。もし本当に彼に嫁いだら、殺されてしまうのではないか?そう思った龍仙児は、安二虎が必死に奮闘している隙に、こっそりと自分の小部屋に逃げ込んだ。ここはスイートルームになっていて、安二虎はメインベッドルームで玲瓏と伶俐と戦っている間に、彼女は小さな寝室へと逃げ出したのだ。

そこには隠し扉があった。父親...