章 303

「曦然、これは俺の初キスでもあるんだ。お互い様ということでどうだ?」林浩は林曦然の真剣な様子を見て、これが本当に彼女の初キスだったのだと心の中で確信した。

「あなたの初キス?誰が信じるものですか」林曦然は小さな拳を林浩の胸に何度も打ちつけた。その感触に林浩の心はくすぐったくなった。

林浩は目の前で揺れる林曦然を見つめ、ふと思いついて、片手で彼女の細い腰を抱き寄せ、もう片方の手で上半身に触れながら言った。「ここも初めて触られるのかな?」

「きゃっ、変態!」林曦然は全身に電気が走ったかのように体を震わせ、ピンと張りつめて林浩の腕から逃れようともがいた。

先ほどまでは歩尧廉がいたから、林浩が...