章 181

正直に言うと、その瞬間、私は頭が真っ白になった。レンの鼻息を確かめると、すぐに彼を背負って病院へと走り出した。幸い、搬送が間に合い、老人は輸血を受けた後、意識を取り戻した。

私が彼を病院に運んだと知ると、老人はまた口を開いた。「若いの、私は石像が欲しいんじゃ。この老いぼれの命なぞ大したものじゃない。石像が手に入らなければ、命があろうとなかろうと、どうでもいいのじゃ」

私はその時、ひどく顔をしかめた。まったく理解できなかった。この老人は頭がおかしいのか?一体の石像のために自ら血管を切るなんて?これには本当に困ってしまった。

しかし、そうであればあるほど、ある感覚が湧き上がってきた。それは、...