章 207

「二体の屍化彫刻が一体は消え去り、一体は逃げ去ったのを目の当たりにして、私は激しく息を切らした。心臓がドクドクと乱れ打っている。あと少し、ほんの少しで今日は命を落とすところだった。もはや以前とは全く違う心境だ。まさか自分が二体の石像に手こずるとは思いもよらなかった。

今、猿の石像と睚眦の石像がゆっくりと目を覚ましつつあるが、猿の石像の両目はまだ真っ赤に染まったままで、初めて会った時と同じ状態だ。

「まさか、この二体の屍化彫刻の修為がこれほど強いとは。もし先ほど怨念によって修為を発揮されていたら、我々には勝ち目など微塵もなかった。それを阻止したにも関わらず、これほどの猛威を振るうとは」猿の石...