章 30

空はすでに灰色に染まっていた。今日は一日中奔走したものの、村を出ることはできず、逆に行方不明者が増えていく一方だ。気づけば、また日が暮れようとしていた。

この状況を見て、猫背の老人は顔を曇らせながら言った。「とりあえず、家に戻るとしよう。外部と連絡を取る他の方法がないか、老夫が考えてみる。外と繋がれば、必ず達人を呼んで、あの豚公を退治してみせるわい」

私と村長はうなずいた。老人の言葉に、少しだけ心が落ち着いた気がした。

家に戻ると、猫背の老人と村長はすぐに対策を考え始めた。村から出られなくなったが、外部と連絡を取る手段はまだあるはずだ。昔、村では鳩を飼っていた。食用の肉鳩だったが、こんな...