章 69

棺を見て、私は不思議な気持ちになった。ここは道観なのだから。道観は没落しているとはいえ、ここに棺があるというのは、あまりにも場違いだった。

なぜ棺があるのだろう?

私は眉をきつく寄せながら、棺の周りをぐるりと回ってみた。しかし今はそれについて深く考えている余裕はなく、おそらくこの棺には宗門の重要人物が眠っているのだろうと推測するにとどめた。

こういった話は以前にも聞いたことがある。宗門が滅んだ後、門人たちが未練を断ち切れず、宗門の重要人物をここに葬ったのかもしれない。あるいは、その人物自身が自らをここに葬らせたのか。

私はもともと大陣を探しに来たのだ。今この道観を見つけたということは、...