章 1005

田舎の人は早起きなので、二狗のお父さんは誰かがこんな早く家具を買いに来ても少しも不思議に思わなかった。

「紫檀の椅子を買いに来たと聞いたが?」二狗の父は遠くから声をかけた。商売人はやはり商売が一番気になるが、もてなしも忘れず、女中に言った。「小鳳、お茶を出しなさい」

「ええ、評判を聞いてわざわざ来たんです。家に椅子が足りなくて」と楽羽は笑いながら答えた。

「はっはっは、隣の浴女村から来たとか?まさか技を盗みに来たんじゃないだろうね?はっはっは」バカな二狗のこの言い方は本当に面白かった。

「翁のお爺さんは冗談がうまいね。うちの村は不器用な人ばかりで、翁のお爺さんのような腕利きはいないよ」...