章 1037

「まだ手続きの途中です」市委員会書記の返答は公式的だった。

「では書記、省公安庁の庁長の馬良をご存知ですか?今回の掃黒作戦の指揮官だと聞きましたが、連絡が取れないんです」楊羽は尋ねた。省公安庁の庁長・馬良は蘇心琪の叔父だった。蘇心琪は叔父が役人だということは知っていたが、どれほど高い地位なのかは見当もつかなかった。

楊羽が名前を調べてみると、こんな高官だったとは驚いた。だからこそ蘇心琪に別荘を簡単に用意できたのだろう。

「私は彼の妻ではないのだから、連絡が取れないことなど知るはずがない!」市委員会書記はそう言うと電話を切った。

楊羽は呆れた。省庁の人間が下部機関に来て仕事をするなら、食...