章 194

薬局を出て、小さな廊下を通り過ぎると、楊羽は何気なく廊下の奥を見た。そこは真っ暗で何も見えなかったが、何か冷たい気配を感じた。特に気にすることもなく、そのまま歩き去った。

呉医師はわざわざ見送りに出てきて、薬を時間通りに飲むよう言いつけ、風邪が良くならなければまた来るようにと念を押した。

下校の鐘が再び鳴り響いた。

「芸熙、表兄ちゃんは君を家に送れないよ。叔母さんに伝えて、生徒の家に行って薬を届けてくる、今夜はそこで泊まるかもしれないって」

芸熙は表兄と一緒に帰れないこと、そして今夜も会えないことに落胆した。

「それから、帰りは大通りを通るんだよ。近道は使わないで」楊羽は三番目のいと...