章 568

「二つの世界の人間に交わりなどない。灰色の姫と白馬の王子の物語とか、逃げだした姫がダメ男の君と出会うとか、そんなのはおとぎ話と言うんだ」

「内側で寝たい」芸熙は顔を伏せ、赤らめた頂きながら、小さな声で言った。

芸熙は普段着ている寝間着を身に纏っていた。その寝間着は春秋向けのもので、こんな夜に何か考えがあるなら、暑くなってしまう。脱ぐのも、脱がないのも、どうしたものか。

杨羽はもちろん下着だけだった。こんな天気で何を着るというのか。服を着るとしても、三妹の前では、わざと暑いと言って脱いでしまうだろう。男というのは女の前では、脱げるものから先に脱ぐもので、脱げないものは、ゆっくりと脱いでいく...